本ページ内容は、米国アリゾナ州フェニックス日本人向け雑誌「オアシス」に掲載されたコラムを許可を得て転載しています。テーマ以外のことも多く書かれていますが、松久先生の人柄も皆さんに良くわかっていただきたいと考え、小見出しを付け加える以外はそのまま掲載しました。

落ち着かない、集中できない子供達

近年、注意力を欠く、また落ち着かない子供が増えています。医学診断名を、ADHD (Attention Deficit Hyperactivity Disorder:注意欠陥・多動性障害)といいます。乳幼児、小児の頃から、集中力に欠け、常に動こうとする傾向を有します。

成長につれ、多動性の傾向は減少していくため、注意力、集中力に欠けるといった部分が目立つようになりますが、これをADD(Attention Deficit Disorder:注意欠陥障害)と呼びます。

子供だけではなく、現代では大人にも多く見られる疾患で、仕事、勉学に集中できない、期日・時間を守れない、整理が出来ない、大切な事を忘れてしまう、など、日常に支障が出ています。

また、これらの症状により、他人との付き合い、協調がうまくいかず、うつ・不安障害などの二次障害を呈する可能性は高くなります。

西洋医学では中枢神経に作用する薬剤が処方されます。

これら、ADHD、ADDは、特に子供で大きな問題となっていますが、正確な原因は不明で、症状は本人の努力や親の育て方で変わる事はないといわれています。それだけに、親にとっては、非常に厄介な疾患です。

治療法としては、医学的には一般的に薬剤の投与が行われます。中枢神経系興奮薬の塩酸メチルフェニデート(一般名;リタリン)が使用され、症状を抑えようとするのです。

しかし、この薬剤は、基本的には覚醒剤であり依存性が懸念されるほか、使っているうちに徐々に効かなくなってしまう。いわゆる薬剤耐性も問題になります。

薬の使用では根本的な解決にはなりません。

人間にはもともと生まれながらにして、自分の体、こころを最大限の健康に保つ能力を持って生まれてきます。つまり、適度な落ち着き、的確な集中力を備えるべく存在するはずなのです。

それがどうして、崩れてしまうのでしょうか。

それは、本来あるべく体の仕組みに問題が生じるからです。では、その問題を取り除いて、本来のあるべく姿を取り戻すのには、どうすればよいのでしょうか。薬では、化学的に血液の成分を変えるだけで、それをなしうる事は出来ません。

神経伝達改善が根本治療につながる

ここで考えなければならないのが、脳からの指令が体中の各細胞に必要な指令を与えているということです。

つまり、この神経の伝達が正しく行われれば、必要なホルモンのバランスが達成でき、理想的なこころと体が出来上がるのです。

良質なカイロプラクティックでは、どこにその神経伝達の障害があるかを、正確に見つけ出し、それを安全、的確な方法で取り除いていきます。全く自然的なアプローチですので、薬のような副作用を心配することなく、症状の改善が見込めるわけです。

相手が子供の場合、害のない治療は大人の義務

体に害を及ぼす可能性のある治療法を最初に選択するのは決して賢いものではありません。子供の生まれながらにしてもつ自然治癒力、自然健康力を最大限に引き出してやることが、親、そして我々人類の究極な責任なのです。

子供の代表的疾患である、夜尿症(おねしょ)、喘息、アトピー、痙攣など、いずれも上記の事があてはまります。

健康は外からではなく、内から来るのです。