本ページ内容は、米国アリゾナ州フェニックス日本人向け雑誌「オアシス」に掲載されたコラムを許可を得て転載しています。テーマ以外のことも多く書かれていますが、松久先生の人柄も皆さんに良くわかっていただきたいと考え、小見出しを付け加える以外はそのまま掲載しました。

急増する糖尿病

皆さんご存知のように、糖尿病は日常茶飯事にみられる身近な病気になっています。

1997年に日本で行われた糖尿病実態調査によれば、“糖尿病が強く疑われる人”が690万人、“糖尿病の可能性を否定できない人”が680万人、その両方を合わせて1,370万人いるとされましたが、これは日本人口全体でみれば約10人に一人が糖尿病であると疑われます。

しかし、実際にその治療を受けている人は約212万人であり、6人に5人もが治療を受けずに放置いる状況です。日本ではこの病気で年間に約一万人が亡くなっています。

糖尿病はブドウ糖とインスリンの関係の不正です。

私たちの食事から得られるブドウ糖という栄養源を細胞に取り入れる重要な役割を担うのが、インスリンというホルモンですが、このインスリンに異常が生じると糖尿病になってしまいます。

糖尿病には、インスリンを出す膵臓の細胞(ベータ細胞)が破壊または機能せずに血糖が上がってしまうT型と、インスリンの量が足りないか細胞のインスリンに対する感受性が下がり血糖が上がるU型に分類されます。

今の現代西洋医学の治療法ですが、T型に対しては主にインスリン注射が使用され、U型に対してはまず最初に食事療法・運動療法が試みられますが、これらで改善しない場合、血糖降下薬やインスリンが使用されます。

糖尿病で最も怖いのが合併症です。

糖尿病で最も怖いのが合併症です。

治療せずに放置した場合、さまざまな症状が現れますが、それらの中でも三大合併症として恐れられるのが、目の視力をやられる網膜症、腎臓の機能が障害される腎症、そして手足の感覚、血行が障害される神経症です。これらの結果もたらされる悲しい結末として、失明、腎透析、そして手足の切断があるわけです。また、他の合併症としては、脳梗塞・脳出血や狭心症・心筋梗塞などがあります。

血圧異常の根本原因を治すことで悪循環を断ち切れます。

この恐ろしい病気を避けるためにはどうすればよいのでしょう。

予防法としては、一日30分ほどの軽い運動(歩行やジョギング)、規則正しいカロリーを控えた食事が挙げられます。

しかし、最も強力な予防法かつ治療法は、自分の膵臓がインスリンを分泌する能力を上げてやること、そしてインスリンに対する体の細胞の感受性を向上させてやることでしょう。

本来の生まれながらにして持つ機能が衰えるから病気になるのです。では、どうして本来の機能が衰えるのでしょうか。最も可能性があるのは、司令塔である脳から伝えられる情報がうまく伝わらないからと考えられます。

この情報を伝えるのは神経です。神経伝達を改善してやれば、必要な時にインスリンが出され、必要に応じて細胞が反応するのです。

インスリンの分泌細胞が破壊されたT型では限界がありますが、それでも人間の体は我々が考えるより潜在能力を保持しており、可能性は十分にあります。

脳からの、また脳への神経伝達を障害するものを除去し、その神経伝達を最大限に引き出させるのが、私の行うカイロプラクティックです。まずは、薬に頼る前に、諦めてしまう前に、自分自身の持つ神経を介する自然治癒力を見直してみましょう。きっと、新しい世界が開けることと信じています。