本ページ内容は、米国アリゾナ州フェニックス日本人向け雑誌「オアシス」に掲載されたコラムを許可を得て転載しています。テーマ以外のことも多く書かれていますが、松久先生の人柄も皆さんに良くわかっていただきたいと考え、小見出しを付け加える以外はそのまま掲載しました。

腰痛の謎を探る

“先生、腰が痛くて・・・・・。”

私は日本で10年間、整形外科医として、上記の訴えをもつ患者さんを毎日の外来で多く診察してきました。

腰痛患者に対する一般的な整形外科的対応は、基本的な問診の後、“では、まず最初にレントゲン写真を撮りましょう。” の決まり文句で始まります。

レントゲンで腰痛の原因を見つけることは難しい

私の経験では、重度の腰痛(坐骨神経痛を含む)から軽度の腰痛まで、レントゲン写真にて明らかな医学的異常所見が見られることは非常に少ないことです。つまり、現代西洋医学的な見方では、レントゲン上に腰痛となる原因を見つけることは難しいということになります。

そうなると、その原因を何とか視覚的に見たいという思考から、次に高額なMRIを撮ることになります。MRIでは、背骨の重要な構造である椎間板を特に明確に写し出すことができ、今の医学常識の中で整形外科医たちは、腰痛の原因をこの椎間板の変性、異常に関連付けしようと試みるわけです。

そこで、都合よく椎間板の変性、異常が見つかれば、これぞとばかりに患者に次のように言うでしょう。

“この椎間板ヘルニアが原因ですね。軽快しない場合は、手術でこのヘルニアを除去する必要があります。”

しかし、この医師の言葉には、重大な落とし穴があります。このことは、私がアメリカで本物のカイロプラクティックを学んだことにより確信したことです。

腰痛の原因は腰だけ見てはわからないことがあるのです。

あるリサーチにより、腰痛をもたない健康な人の背骨にも、かなりの確率で椎間板ヘルニアがあるとされました。

つまり、椎間板の異常は、腰痛のあるなしに関係なく、逆に言えば、腰痛があろうがなかろうが、椎間板にはある一定の割合でヘルニアが見られるわけです。

ここで明らかなことは、椎間板ヘルニアが腰痛の原因であると安易に考えることは、大きな見落としになるということです。 ですから、椎間板ヘルニアを手術したけれども、一向に良くならないというケースがよくあるわけです。こうなると、現代医学の医師にはお手上げ状態になってしまいます。

私の行うガンステッドカイロプラクティックでは、たとえ訴えが腰痛であろうと、レントゲンは腰だけではなく、頭の下からお尻の下までの背骨全体を撮ります。腰の症状であろうと、原因が首にあったり、骨盤にあったりすることが多々あるからです。

背骨はひとつの連結体です。どこかに異常があれば、その他のどこかに異常がまた出るのです。また、カイロプラクティックでは、背骨のどこの骨が、どの方向に、どの深さでずれているかを、精度の高いカイロプラクティック検査で探し出します。これは、今の現代医学概念では理解できないことで、カイロプラクティックのみが可能とすることなのです。

以上のことから、どうして、整形外科を含む現代西洋医学で、治らないものが多いのか、逆に、どうして、カイロプラクティックで治る望みがあるのかが理解できると思います。

現代医学の限界に対し、カイロプラクティックの挑戦があるわけです。